夜、何も足さずに過ごせる理由

夜、何も足さずに過ごせる理由

一日が終わる時間は、だいたいいつも同じです。
特別なことがあった日も、何もなかった日も、
夜になると、体のほうが先に「もう十分」と教えてくれます。

シャワーを浴びて、髪を乾かして、照明を少し落とす。
それだけのことなのに、
昼間の情報や音が、少しずつ遠のいていくのがわかります。

夜に着る服は、考えません。
選ぶというより、自然に手が伸びている感じです。
柔らかいとか、軽いとか、
そういう言葉を意識する前に、
もう着てしまっていることのほうが多いです。

ソファに座って、何かをしようとして、
結局、何もしないまま時間が過ぎていく。
スマートフォンを置いて、本も開かず、
ただ、呼吸が整っていくのを感じているだけの時間。

夜は、何かを足すより、
一つずつ手放していくほうが、楽に過ごせます。
一日の終わりに必要なのは、
気分を上げることでも、切り替えることでもなくて、
ただ、元に戻ることなのかもしれません。

肌に触れるものが静かだと、
考えも自然と静かになります。
無理に整えなくても、
ちゃんと、夜は夜の速さで進んでいく。

気づいたら、
今日も何も足さずに過ごしていました。
それで、十分だったな、と思える夜です。

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