朝、窓を開けたときの空気で、
「あ、今日は乾いているな」と思う日があります。
指先が少しひやっとして、喉の奥も、少しだけ軽い。
冬ほどではないけれど、
季節の変わり目は、肌が正直です。
ちゃんと守らないと、と
頭のどこかで思うこともあります。
それでも、その日は特別なことはしませんでした。
いつも通りに支度をして、
いつも通りの一枚を着て、
そのまま一日が始まりました。
仕事をしている間も、
肌のことは、ほとんど思い出しませんでした。
空調の風が当たっても、手元が少し冷えても、
「乾燥している」という実感が、どこか遠いまま。
夕方になって、ふと天気の話になったときに、
「あ、今日は乾燥しているらしいよ」と聞いて、
そういえば、と気づくくらいです。
乾燥している日に、気にならないでいられるというのは、
すごいことというより、ありがたいことなのだと思います。
何かを塗り重ねたり、守ろうと意識し続けたりしなくていい。
肌のことを考えない時間が、一日の大半を占めている。
夜、服を脱いだときも、つっぱる感じはなくて、
ただ「今日も終わったな」と思うだけ。
乾燥しているのに、気にならない日。
それは、肌が特別に潤っているというより、
肌と生活の間に、余計なストレスがなかった日なのかもしれません。
季節が変わっても、体の感覚が静かなままでいられること。
それが、いちばんの心地よさだと、最近は思っています。



